「その子に必要なカロリー」が分かっても、与えているフードにどれだけカロリーがあるかが分からなければ話は半分です。それが分からないと給餌量は推測になり、推測の結果が太りすぎや不足です。
ペットフードのカロリー表示(「代謝エネルギー」や「ME」と呼ばれることが多い)が、その橋渡しをします。1カップ・1缶・1kg・100gあたり何キロカロリー(kcal)かを示し、1日のカロリー目標とフードのカロリーが分かれば、正確な給餌量を計算できます。この記事では、カロリー表示の探し方・読み方・活かし方を説明します。
カロリー表示とは
カロリー表示は、ペットフードの表示(またはメーカーサイト)に書かれた、製品の**代謝エネルギー(ME)**の記載です。MEは「使えるエネルギー」—消化・吸収のあと、体が実際に使えるカロリーです。
多くは次のような単位で書かれています。
- 1カップあたりkcal(アメリカのドライフードでよく見る)
- 1kgあたりkcal(メートル法の国ではドライフードで一般的)
- 1缶・1パウチあたりkcal(ウェットフード)
- 100gあたりkcal(ヨーロッパやプレミアム品で見かける)
例:「代謝エネルギー:1カップ(8オンス計量カップ)あたり350kcal」
この1つの数字で、「うちの犬は1日700kcal必要」が「このフードなら1日2カップ」に変わります。

カロリー表示はどこにあるか
アメリカでは、AAFCOの規定により2014年以降、犬・猫フードの表示にカロリーの記載が義務づけられています。「カロリー含有量」などの見出しの下に、キロカロリー/キログラム(製品の状態)と、なじみの単位(1カップや1缶など)で書かれている必要があります。
- 袋・缶の裏・横: 保証分析や給餌ガイドの近く、「カロリー含有量」などの下に、小さめの文字で書かれていることが多いです。
- メーカーサイト: 製品の「栄養」「給餌」の欄にMEが載っていることが多く、特に小さいパッケージではそうなりがちです。
- メーカーに問い合わせ: その製品・その配合のME(1カップ・1缶・1kgあたり)を問い合わせることもできます。
見つからない場合は問い合わせてください。信頼できるメーカーはこの情報を提供します。これがないと、1日の必要カロリーを正確な給餌量に換算できません。
カロリー表示が重要な理由
1. 量はカロリー密度で決まる
見た目の量が似ていても、カロリーは大きく違うことがあります。
- フードA: 1カップ300kcal
- フードB: 1カップ450kcal
1日600kcal必要な犬なら、フードAなら2カップ、フードBなら約1⅓カップです。「1カップ」を同じように与えると、Aでは不足、Bでは与えすぎになります。正しくするには表示のMEを使うしかありません。
2. 「1カップ」「1食分」はメーカーで違う
「1カップ」の定義はメーカーで異なります(体積8オンスか、決まった重量かなど)。カロリー表示があれば、量をエネルギーに結びつけられるので、計って与えれば何kcalか常に分かります。
3. 体重管理には精度が必要
減量・維持では、小さな誤差が積み重なります。1日50kcal多く与え続けると、ゆっくり確実に太ることがあります。カロリー表示(とその子のMER)を使えば、推測ではなく目標に合わせて与えられます。
4. フード変更を安全に
フードを変えるとき、新しい製品はカロリー密度が違うことがあります。新旧両方のカロリー表示を確認すれば、量を調整して意図しない体重増減を防げます。
カロリー表示の使い方
ステップ1: 1日の必要カロリー(MER)を出す
維持エネルギー必要量(MER)—健康な体重を維持するのに1日に必要なカロリー—を計算します。体重・ライフステージ・活動・体調で決まります。ペットカロリー計算でこの数字を出せます。
ステップ2: 与えるフードのMEを確認する
実際に与えている製品(配合・フレーバー・ドライ/ウェット)のカロリー表示を探します。単位(1カップ・1缶・1kg・100gあたり)を確認します。
ステップ3: MERを給餌量に換算する
-
1カップあたりkcalのとき:
1日量(カップ)= MER ÷ 1カップあたりkcal -
1缶あたりkcalのとき:
1日あたり缶数 = MER ÷ 1缶あたりkcal(半缶や端数になる場合は調整) -
1kgあたりkcalのとき:
1日量(kg)= MER ÷(1kgあたりkcal)
必要ならグラム(×1000)や、1カップの重量が分かればカップ数に換算します。
例:
- MER=400kcal/日
- フード=1カップ320kcal
- 給餌量=400÷320=1日1.25カップ(食事回数で割って与える)。
ステップ4: 計り方は毎回同じに
毎回同じ方法で計ります—例:8オンスの計量カップで、すりきり。目分量や適当なスプーンでは、カロリー表示の意味がなくなります。
よくある失敗
- 違う製品の数字を使う: 配合・フレーバーでカロリーは変わります。いつも「今お皿に入っている製品」の表示を使いましょう。
- おやつを無視する: おやつは10%ルールの範囲に—1日の総カロリーからおやつ分を引いてから、残りを食事に振り分けます。
- 「ライト」「体重管理」=低カロリーと思い込む: 実際のMEを必ず確認。ライトでも少ししか減っていない製品もあります。
- フードを変えたときに再計算しない: フードを変えたら、新しいカロリー表示で給餌量を再計算します。
まとめ
ペットフードの**カロリー表示(ME)**があるから、「1日Xkcal必要」が「1日このカップ数・缶数」に変わります。これがないと給餌量は推測、あれば維持・減量・増量を正確にできます。
次の3つを守りましょう。
- 与えている製品のMEを確認する。
- 給餌量は MER÷1食あたりkcal(カップ/缶/kg)で計算する。
- 量は毎回計り、体調と体重に合わせて調整する。
1日のカロリー目標と給餌の目安はペット食事プランナーで出せます。あとは選んだフードのカロリー表示で、その目標を具体的な量に換算してください。


