ペットの「ちょっとぽっちゃり」は「ちょっと丸いだけ」「骨太なだけ」と軽く見られがちです。しかしペットの肥満は立派な病気です。寿命を縮め、生活の質を下げ、糖尿病・関節炎・心臓や呼吸の問題・一部のがんのリスクを高めます。良いニュースは、多くは予防可能で、計画次第でコントロールできることです。本当の危険を知れば、適正体重を保つ動機になり、すでに太り気味の子を助ける手がかりにもなります。
この記事ではペットの肥満の健康リスクと、適正体重を支える実践的なステップをまとめます。

太り気味・肥満の目安
獣医はボディコンディションスコア(BCS)—9段階のスケール—で、痩せ・理想・太り気味・肥満を評価します。
- BCS 4〜5: 理想
- BCS 6〜7: 太り気味
- BCS 8〜9: 肥満
自宅でも評価できます。分かりやすいガイドは体重より大事なボディコンディションスコアの使い方。不安なら獣医に一度見てもらい、目標体重と1日カロリーを決めてもらいましょう。
ペットの肥満はどれくらい多いか
肥満は犬・猫で最も多い栄養障害の一つです。多くの飼い主は、獣医に指摘されるまで自分のペットが太り気味だと気づきません。数キロでも、特に小型犬・猫では影響が大きいので、予防と早めの対策が重要です。
ペットの肥満の健康リスク
1. 寿命が短くなる
研究では、太り気味・肥満のペットは適正体重の子より寿命が短い傾向が示されています。肥満と理想体重の犬を比べた研究でも、数字は研究や集団で異なりますが、傾向は一貫しています。過剰な体脂肪は、早い死亡と不健康な年月の増加と関連します。
2. 糖尿病(特に猫)
肥満は犬・猫の糖尿病の主要なリスク因子で、猫では特に強く関連します。過剰な脂肪はインスリン感受性に影響し、一生涯の管理(食事・薬・モニタリング)が必要な糖尿病につながることがあります。猫を適正体重に保つことは、このリスクを下げる最も有効な方法の一つです。
3. 関節炎・関節の病気
余分な体重は関節への負荷を増やし、関節炎(変形性関節症)を悪化・進行させることがあります。太り気味の子は、跛行・こわばり・運動嫌いが早く、重く出がちです。減量で動きや快適さが明らかに改善することがあります。
4. 心臓・呼吸の問題
- 心臓: 肥満は心臓の負荷を増やし、心臓病・高血圧のリスク上昇と関連します。
- 呼吸: 胸や気道周りの脂肪で呼吸効率が落ち、太り気味の子はパンティングが増え、疲れやすく、暑さやストレスで呼吸の問題が出やすくなります。
5. 泌尿器・腎臓
- 猫: 肥満は泌尿器トラブルのリスク上昇と関連し、長期的に腎臓にも負担をかけがちです。
- 犬: 過体重は泌尿器・代謝系への負荷につながることがあります。
6. 肝臓の病気
肝リピドーシス(脂肪肝)は、猫—特に太り気味・肥満の猫—が食べなくなったときに起こる、重く命に関わる病気です。食べないと体は脂肪を動員し、肝臓が処理しきれず脂肪が肝細胞にたまります。肥満の猫はリスクが高いです。適正体重を保ち、定期的に食べさせ(食べなくなったらすぐ獣医に)、このリスクを下げましょう。
7. 暑さ・運動に弱い
太り気味の子は暑さに弱く、運動ですぐ疲れがちです。遊びや散歩を嫌がり、運動不足→さらに太る悪循環になりがちです。
8. 手術・麻酔のリスク
肥満は手術・麻酔をリスクの高いものにします(挿管が難しい、心臓・肺への負荷、回復が遅い)。計画的な処置の前には、適正体重に近づけておくことが有利です。
9. 皮膚・被毛
太り気味の子は皮膚のたるみが増え、グルーミングがしづらくなり、皮膚炎や被毛のくすみにつながることがあります。減量と適切なグルーミングが有効です。
10. がん・その他の病気
肥満と特定のがんや慢性疾患の関連を示す研究もあります。因果ははっきりしない部分もありますが、適正体重の維持は一般的に保護的です。
できること:予防と減量
予防
- 適量を与える: ペットカロリー計算でその子の1日必要カロリー(MER)と、フードのカロリー表示に基づく給餌量を出します。袋の給餌ガイドだけに頼らないでください。
- おやつを抑える: おやつは10%ルールの範囲に。
- 避妊・去勢を考慮: 避妊・去勢した子はカロリーが少なめでよいことが多いです。計算ツールと避妊・去勢の代謝への影響の記事で説明しています。
- 定期的に体重とBCSをチェック: 少しの増加を早めに気づけるようにします。
減量(獣医と一緒に)
- 獣医に診てもらう: 体重に影響する病気(甲状腺など)を除外し、安全な目標体重とカロリー目標を決めます。
- カロリーは徐々に減らす: 減量はゆっくりコントロールされた形で。獣医が特定の食事やMERより何%下かなどを指示することがあります。
- すべて計る: カロリー表示と量のコントロールの考え方は同じ—1日総量を下げるだけです。
- 可能な範囲で活動を増やす: その子に合った遊びや散歩で減量と筋肉維持を支えます。非常に肥満や関節症の子はやりすぎに注意。獣医に相談してください。
まとめ
ペットの肥満は見た目だけの問題ではありません。寿命を縮め、糖尿病・関節炎・心臓・呼吸・泌尿器・肝臓など多くのリスクを高めます。危険は現実ですが、適正体重を保つ、あるいは獣医の計画で減量する機会も現実にあります。
ペット食事プランナーで1日のカロリー目標と給餌量を出し、10%ルールでおやつを抑え、ボディコンディションを定期的にチェックしてください。すでに太り気味の子は、獣医と安全な減量計画を立て、そのあとは同じツールで毎日適量を与え続けてください。


